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日本のレーザー環境をより安全に 株式会社大興製作所 【KENTEK正規代理店】

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レーザーの危険性

レーザ(laser)とは:主に誘導放出を制御することによって、180nm〜1mmの波長範囲での電磁放射を発生又は増幅することができるデバイス。
他の装置や機器と比べてレーザーが危険な主な要因を紹介いたします。

A)見えない光 ①

レーザーには人の目が光(色)として認識できない波長のものが多くあります。
人が光(色)として認識できる波長域の光(可視光線)より短い波長の光が紫外線(UV)、長い波長の光が赤外線(IR)です。


レーザー波長ごとの光と可視光及び紫外線と赤外線


人が光として認識できない波長のレーザーは発振されてるかどうか、またどこに照射されているか人の目には見えません。
そのレーザー光が眼に入っててもわからないし眩しいとも思わないのです。
光線からそらしたり眼を閉じたりなどの防御行為も行えないため、視力低下や視野欠落など悪影響が出てしまうまで気づかない場合があります。
特に網膜まで到達してしまっても気づかない近赤外のレーザー光(780nm~1400nm)には十分な注意が必要です。

可視から近赤外の人の目に当てる影響

B)見えない光 ②

紫外や赤外の光ではなく可視域(おおよそ380nm~780nm)の光なら見えるから大丈夫かというとそうではありません。
飛んでいる光が線のように見えるのは映画やアニメの中だけで実際に見えるのは光が当たっている場所だけです。
レーザー光を発振している箇所から照射されている場所までのあいだの空間は何も見えません。

レーザー光発振図
目に危険


眼に入ると危険なのは紫外や赤外のレーザー光と同じですが、人が認識できる波長域の光なので
もし眼に入ると眩しいと感じることはできます。


コンサートやショーなどで光線が見えるのは、その空間に水蒸気やスモークを発生させ、空気中のそれらにあたった光が反射するためです。
(厳密には通常の空気中にも塵や埃が舞っていれば、そこに当たって反射した光で光路がわかるかもしれませんね。)

目に危険

C)距離

プレス機や切断機など世の中には様々な危険を伴う装置や加工機などがありますが、いずれも差こそあっても一定の距離をとり離れていれば安全です。
ですがレーザーに限ってはこれに当てはまりません。どんなに離れていても危険が伴います。
理由は電球やLEDなど他の光源と異なりレーザー光はほぼ真っすぐ光が出る(指向性がある)ためです。


<電球やLEDの場合>

電球やLEDの光の距離
光は広がるので遠くなると面積あたりの光は弱くなります。


<レーザーの場合>

電球やLEDの光の距離
光が真っすぐ飛んでいくため離れてても面積あたりの光は弱くなりません

無限に光が減衰せずに飛んでいくわけではありませんが、それでも数十~数百メートル以上の距離でも危険はあります。
飛行機のパイロットやスポーツ選手などに離れた場所からレーザーポインターで照射する事件があるなど遠距離でも危険を伴うのがレーザー光です。

D)反射

これはCで説明したレーザー光が真っすぐ飛ぶ(指向性がある)と関連した危険性ですが、光は反射します。電球やLEDなど広がる光は
光路が長くなればなるほど面積あたりの光は弱くなりますが、レーザー光は距離が離れても指向性により面積当たりの光の強さが変わらないため
反射した光もかなり危険です。光学系のミラーやレンズの調整ミスにより謝った方向へ光が飛んでしまう可能性があることはもちろん、光学定盤(ブレッドボード)や金具、床や壁、透明なガラスですら光を反射をし、また反射を繰り返すため想定外の光線が飛び交うことがあります。

レーザー光の反射

反射をするので、どこから迷走光が飛んでくるかわからないのがレーザー光の怖いところです。